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【ソウル＝竹腰雅彦】北朝鮮訪問中の盧武鉉（ノ・ムヒョン）韓国大統領と北朝鮮の金正日（キム・ジョンイル）総書記は４日午後１時、第２回南北首脳会談の合意事項として、朝鮮戦争（１９５０～５３年）の終結宣言推進などを盛り込んだ「南北関係発展と平和繁栄のための宣言」に署名、発表した。

　南北首脳による宣言は２０００年６月の第１回首脳会談で採択された「南北共同宣言」以来。南北関係は当面、南北関係発展・平和繁栄宣言を軸に進むことになるが、残り任期約５か月の盧政権がどこまで履行し、次期政権に引き継げるかが課題となる。

　宣言は８項目からなり、〈１〉２０００年の第１回南北首脳会談の共同宣言の順守〈２〉南北の相互尊重、信頼関係構築〈３〉南北間の軍事的緊張緩和のための緊密な協力〈４〉朝鮮戦争終結と恒久的平和体制構築のため、当事国の３者または４者の首脳による終戦宣言の推進〈５〉「民族経済」の均衡的発展〈６〉歴史、文化、スポーツなどでの南北間協力推進〈７〉南北間人道協力の推進〈８〉国際社会での南北協力強化――を盛り込んだ。宣言には北朝鮮の核問題について、「６か国協議の合意履行に南北が共同で努力する」とした。

　宣言には、今年１１月中の南北首相・国防相会談開催も明記された。

　盧大統領は４日午後、金総書記主催の送別昼食会に出席した後、３日間の訪問日程を終え、陸路、韓国に戻る。

　ソウル到着後、訪朝結果について発表する予定だ。３日には核施設無能力化と核計画申告の年内履行を明示した６か国協議の共同文書が発表されたが、金総書記が首脳会談などを通じて核問題についてどんな発言をしたかが注目される。また、韓国政府が南北首脳会談で説明するとした日本人拉致問題について、総書記が言及したかどうかも焦点となる。

　盧大統領は３日夜、平壌で行われた大統領主催の晩さん会で、今回の首脳会談に関して、「平和と共同繁栄、和解・協力の問題について率直な対話ができた」と評価した上で、「金総書記の平和への固い意志を確認し、お互いをさらに深く理解する機会になった」と述べた。

　盧大統領一行は４日午前、平壌の西方約５５キロのところにある南浦（ナムポ）を訪れた。南北企業の共同出資で小型自動車などを生産している自動車工場のほか、黄海に注ぐ大同江（テドンガン）の河口に外海をせき止めて作られた西海（黄海）閘門（こうもん）を視察した。

　盧大統領は４日午後、平壌を離れ、南北軍事境界線を越える前に、南北経済協力の中核事業で約１万８０００人の北朝鮮労働者を雇用する開城（ケソン）工業団地を韓国大統領として初めて訪問、視察する。